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【とある朝の計り得ぬ癒し】

いつもより少し遅く家を出た雨の日、
いつも通る路地を歩いていたら、目の端にスズメが2羽、
飛ぶというより、チュンチュン跳ね歩いている…よく見れば
片方は、まだ羽も生え揃わぬ小さな子スズメ…
どうやら雨に濡れた羽では思うように飛べないらしく
母スズメが賢明に、視野に入る低さを飛んで見せては
「飛びなさい」と、けしかけている様子。
子スズメはチュンチュンと鳴きながら石垣や草むらに隠れようと必死…

思わず足が止まり気になって眺めていると…
何を思ったか、その子スズメ、
ちょんちょんと跳ねながら、こちらへ向かって来る。。。
母スズメは少し離れた所から、呑気に人間の足元に近寄る子スズメを眺める。。。
少し申し訳ない思いになりながら、母スズメを目で追った後、
フと子スズメに視線を戻せば、どこにも居ない!!
猫でも近くにいたか?と慌てて周囲を見回すも、
猫もカラスも見当たらないが、
移動可能な範囲には子スズメの姿もない!!
狐につままれたような気分になった瞬間、自分の足元を見て驚く。
子スズメ発見!!
ナント私の両足の、右靴と左靴の狭い隙間に隠れて、
雨に濡れた羽安めウトウトしているではないか!!!!!
いつもより遅く出て、職場に急ぎたい気持ちは無条件に脇へ追いやられ
途方に暮れる…
微動だにせず立っていた私は、樹にでも間違えられたか…
「弱った子スズメをみつけたら」などとネットで調べるも、概して
『そのまま立ち去れ』と書いてある記事ばかり…
どうしていいやら分からずに経つこと15分…
何せ往来少ない路地とはいえ車道の中央だったので
意を決して、最初に見かけた場所まで戻すか!と
自分史上最遅の動きで右足を、右へとズラせば、
いとも呆気なく、チョンチョン、チョンチョン、と猛スピードで跳ねて
すぐ後ろの駐車車両の下へと逃げ込んでしまった。。。。

この15分は、一体何だったのだ…と思うほどの呆気なさだったが…
この1年分くらいの疲れをいっぺんに消し去ってくれるほどの
《癒し》の力に包まれた朝だった。

その後の母子は分からないけど、
きっと羽が乾いてから、危なっかしくも巣に飛び戻れていますように…と
今でも祈っている。。。。。





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